まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

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空と海の交わる空間(2)

続きですよ







照りつける太陽が恨めしいと感じる時期


だらけきった体を休めるための長期休暇が近づいていた。
正直宿題というものがある時点でその理屈は通っていないのではないかと思うけど、長くある自由な日々は大手を振って喜べるものに変わりはない。

そのため授業という授業もほとんどなく、誰もが来たるその日を心待ちにしていた。





そんなある日
いつもと変わりない帰り道で告げられた言葉。それは安らかな日々に終止符を打つものだった。


















「まこちゃん…私ね、ドイツに行くことになったの」









絞り出すような掠れた声が耳を撫でてゆく。一瞬何を言われたのかわからなかった。

言葉を発しようとしても、ヒューヒューと音が漏れ出るだけで上手く言葉が紡げない。いや、言葉を発せたとして自分は何を言おうとしただろう。きっと聞き返すに違いない。でもそんなことに意味なんてない。
だって彼女の眼を見ればそれが真実であるかどうかなんて一目瞭然。


重くのしかかる何かに押しつぶされそうになって、立っているのが精一杯だった。



いずれ来るとわかっていたこと。けれどどこかで否定していたこと。
錆びれたネジが軋む音がして、どこかで歯車が狂ったような気がした。


やっと搾り出した言葉は「そっか、頑張ってきてね」なんて、陳腐で曖昧なものだった。








そのあと逃げるように分かれひたすら家に駈けた。

悲しいとか、嬉しいとかそういう気持ちを感じる以前に、これから自分はどうしたら良いのかということが脳裏をよぎった。

初めてドイツ行きを告げられたときは、彼女に夢を叶えてほしいと心から願っていた。
誰よりも頑張っていた彼女が夢をつかめるチャンス。逃して欲しくはない。


けれど今はそれが出来ない。




考えてみれば自分は彼女に依存しきっていた。
包み込むような水のような温かさに安心しきっていたのだ。




自分の隣は彼女しか有り得ない。
けれど彼女は?





彼女の隣が自分でなければならない理由


それがない。






前世からの関係
そんなものがなんの影響力を持っているというのだ。
こうして現世に生を得て、前世では持ち得なかった夢を描いているではないか。
戦士としてではないもう一つの人生を拓いているではないか。
けれどそれは至極当たり前のこと。
戦士の生まれ変わりだとしても、数十年を普通の人として生きてきたのだ。
その間に誰しもが将来を夢見るものだ。

そして戦士に覚醒した自分達は皆、どちらも得ようとしている。
宿命から逃れようとは思わないけれど抱いた夢を捨てる気もない。
ならばそのどちらもを両手に抱えるために、何かを捨てなければならないのだろう。

矛盾している
でも正しいこと
二つしかない腕では全てを抱えきることなんてできない



自分は彼女と離れることが出来るのか。
考えもしなかったことに胸が締め付けられるのを感じた。
いずれ来る別離。それに堪えられるほど自分は強くはない。

大きすぎた彼女の存在はこれからも大きくなるのだろうか。
今でさえ辛いのに、これ以上大きくなってしまったらこれから先どうなるというのか。



幾度となく繰り返した自問自答



ならば、これ以上堪えられなくなる前にあの日に戻ればいい。
快く送り出せたあの日に。

そうしなければ彼女の夢の妨げになってしまうから。



何日も続いたループに終止符を打つ。


ただ戻ればいいのだ。
そう思い込もうとしても、身が引き裂かれる想いに涙が止まることはなかった。


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