まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

帰還本能

前世ですよー

リハビリー




誰が言い出したのだろう



その音色は魂を癒す


戦場から戻って来た夜、どこからともなく流れる旋律に誰もが耳を傾ける



また聴くことができた、と安堵しながら










[帰る場所]











バルコニーに伸びる一つの影
マーキュリーはいつものようにそこでハープを弾いていた。



青い星を眺めながら奏でるハープの音はすべてを包むように優しく、そしてどこか悲しみを帯びていた。








「また地球を見ていたのかい?」




廊下の影から聞こえた声にハープを弾く手が止まる。
影から現れたジュピターの顔には苦笑いが浮かんでいた。




「つい見てしまうんです。あの星を見ていると何か浮かんでくるような気がして」


「おかしいですよね」と同じく苦笑いで返すマーキュリーに、笑顔を浮かべたジュピターは手元のハープを指さす。



「わからくもないけどね。じゃあそれもクセ、ってことでいいのかな?いつも違う音色を奏でているけど」


「自分でもよくわからないんです。この場所で考え事をしているといつの間にか弾いているんです」





考え事
マーキュリーはそう言うが、ジュピターには亡き兵への弔いと懺悔の思いを独り背負おうとしているようにしか見えない。




軍師の因果、宿命
マーズはそう言っていた。


誰とも近くなることを拒む
その者に「死に逝け」と言わなければならないからだ、と漏らしたらしい



気負うなとは言えない。けれど独りで抱えないでほしいと仲間は願っている。

マーキュリーの軍師たらんとする態度は自身を孤立に追い込んでいるようにしか見えない。
それを止めるすべは浮かばず、こうして自ら話しかけにいくということしか思いつかなかった。




「ね、知ってる?兵たちがその曲のことをなんて言ってるか」

「知りませんよ。そもそも兵がそんな話をしていたことが初耳です。」

「鎮魂歌(レクイエム)」

「え?」

「そのハープの音を聴くと帰ってきたって実感できる。その音色をもう一度聴くために帰ろうと、生きようと頑張れる。皆、その調べを帰る道標にしているんだ。」




誰よりも兵のそばに居、誰よりも兵の話を聞いているジュピターが言うのだ。
それが嘘ではないことはマーキュリーにだってわかる。

けれど、こんな何の変哲もないハープの音が兵たちに安らぎを与えているなんてとても信じがたいことだった。


恨まれることはあっても、感謝されることはない
そう思っていたのだから。





「ジュピターだって戦の前夜は笛を吹いているではありませんか」

「あ、や、まぁそうだけど」

「あの音色、私は好きですよ」



ジュピターの透きとおる笛の音はとても澄んでいて、どこまでも響き渡る。
故に誰もが知っていることで、マーキュリーも例外なく知っていた。

その音色を聴くたびに心穏やかになるのだ







マーキュリーの音色が鎮魂歌ならジュピターの音色は前奏曲(プレリュード)だろう




兵や将の背中を押し、道を指し示す輝き








けれど彼女たちは知らない

自身が兵たちにとっての輝きであり道標であることを








だから今日もそれぞれの旋律を奏でる
それが自身を癒すものであるから







「じゃあ、一曲披露しよっか?」


「そうですね、ではお願いしましょうか」


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