まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

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超絶可愛い!!

さらにさらにysk様から掲載許可を頂いてまいりました!!
ふふ、ふふふふふ!
ちゅうがくせいばーじょんですお!



雨空とお互いの優しさ 中学生ver.


 ──あちゃ~失敗してもうた。

 今朝、家を出たときは晴れ──とは言えないけど雨が降るような曇り空じゃなかった。だけど、三時限目、四時限目と時間が過ぎていくにつれて、空模様が怪しくなってきた。
 内心、若干の不安を募らせながらも、帰るまでならきっと大丈夫だろうと高を括っていたら案の定、雨が降った。
 それだけならなんとかなったけど、もっとも誤算だったのは、折り畳み傘が鞄に入ってなかったこと。
 どうしたもんかなぁ……なんて考えながら、ちらりと横目で隣に居るフェイトちゃんを窺うと、私と同じように雨空を見上げてはいるけど困った、というような様子は視られない。
 一抹の期待を抱きながら、いつも通りに名前を呼ぶ。

「……フェイトちゃん」
「ん? どうしたの?」
「いや、な。…実はその、な?」
「……?」

 どうしよう、どう切り出そうか。『実は傘を持ってくるのを忘れてもうたんよ。てへ♪』なんてことが言えるほど私はノリが良い性格じゃない。いや、そもそもそれを言ってどうなるんだろう。優しいフェイトちゃんのことだから貸してもらえそうだけど。
 いやいや、そうじゃなくて何で貸してもらうことが前提? わざわざ貸してもらわないで一緒の傘で帰れば…………って、相合い傘!?
 今さら、ほんとーに今さら気付いてどうしよう。真面目に。
 べ、別に相合い傘が嫌なわけじゃあなくて、ただ少し…いや、かなり恥ずかしいだけで。
 取り敢えずそれは置いといて、とにもかくにも話しかけてしまった以上、この状況をなんとかしなければ。

「はやて? どうかした?」

 と、思ったところへ追い討ちをかけるようなタイミングで、彼女が顔を覗き込んできた。

 ──ちょ、ちょ、ちかいってちかい!?

 もう目と鼻の先に顔があって、とても心臓によろしくない。正直、直視できない。

「え……、いやいやな、なんでもあらへんよ!」

 一瞬、思考が停止しながらもそう言って少々、後ろへ身を退く。出来るだけ不自然にならないように、さりげなく。

 どうして素直になれないんだろう、言えないんだろう。変な意地が邪魔をしてただ一言、傘を持ってくるのを忘れたって、言えない。

 ──いっそのこと逃げる、とか。

「はーやーて?」

 よし、そうと決まったら即実行。善は急げ。いや、なんか違う気がする。

 ──まぁ、そこらへんはどっかに置いといて。…逃げよう。

 前に似たようなことがあった気がしたけど、それもどっかに置いといて。
 一つ、深呼吸をして。

「フェイトちゃん、ちょう用事を思い出したから、先に帰ってて」

 早口で一気にそう捲し立て、踵を返した。

「はやて?」
「えっ!? な、なんっ」

 腕を引っ張られて、後ろから抱き竦められた。

「ふぇっ、ふぇいとちゃん!?」
「…逃がさないよ、はやて」

 耳元で囁かれて身じろぎすると、今度は耳に息を吹き掛けられた。

「ひゃぅっ……フェイト、ちゃん…やめ、て?」
「ううん、やめない」

 抗議の声は虚しくも受け入れられずに拒否されて、その上に行為は止まらない。

「な、なんで…こんな──ふぁっ!? な、なにして!?」

 理由を問おうとした。けれども、首筋を何かが這うような感触に襲われて、発していた言葉は悲鳴に。

「なにって…、特になにもしてないよ?」
「ぜ、ぜったいなんかしたやろ!?」

 明らかに声が笑ってる。絶対に何かされた。

「だって、はやてが逃げようとするから」
「だ、だからっ! ──え?」

 ──い、今…なんて?

「わ、わたし用事思い出したって言うたよね?」
「逃げるための口実でしょ?」
「そ、そそんなことあるわけないやろ? も、もうなに言っとるのフェイトちゃん」

 逃げようにもなかなか放してくれない。しかも口実という名の逃げ道を潰しながら。
腕を掴んで離そうにも全く剥がれない。

「傘を忘れてたなら、そう言ってよ」

 決死の抵抗は、その一言で水の泡となった。

「ばれてないと思ってた?」
「ば、ばれてって……最初からわかってたんっ!?」
「ううん。途中から」
「なんで…わかったん?」

 せっかくなんとか隠してきたのに、それをあっさりと見破られた。落ち度は無かったはずなのに、どうしてばれたのか不思議だった。傘を忘れたとか公言してたわけでもないし、そんな素振りも見せてはいない……はず。

「だいぶ前にさ、似たようなことがあったから」
「似たようなこと?」
「うん……」

 そんなことあったっけ? と思い返してみても、あったような無かったようなと随分と曖昧な記憶。

「小学生のとき…、今とは…逆、だけど……」

 尻窄みする声を聞きながら思い出した。

「ぁ、あ~、そんなこともあった気ぃするなぁ」

 色々な意味でよく覚えている。

「フェイトちゃんに逃げられたん、よう覚えとるよ?」
「そ、それは…あの時は、迷惑をかけたくなかったからで、…それに、はやてが待っててくれたなんて思ってなかったし…」

 ちょっと小突くとぼろぼろと弁解を始めた。だから私はこの期に乗じてさっきの仕返しをする。

「フェイトちゃんを待っとるの、寒かったよ?」
「え、えぇぇっ!? で、でも何ともないって言ってたよね!?」

 何ともない。確かにそう言ったのを覚えてる。だけど、そう肯定して元のペースに戻されるのは少々惜しい。私が攻勢に回れることはほとんど無いから。

「あ、あんまよく覚えておらへんなぁ……」
「………」

 どう答えるか、とその繋ぎに適当に答えた。返すのが遅いと嘘だと見破られるかもしれないから。
 そこまではきっと良かった。恐らく、唯一の失敗は視線を逸らして答えたこと。

「……フェイトちゃん?」
「はやて、覚えてるよね?」
「えぇ? お、覚えておらへんって」
「…そっか」
「……?」

 何度目かの問答の繰り返しに、堪えながらも言葉を返した。いつまで続くんだろうと心が折れそうになった時、声がぴたりと止んだ。
 おや? と首を傾げ、後ろを向こうとして身をよじらせ──

「大好きだよ、はやてっ!!」

 た……。
 突然、辺りに散らばった声は、校舎の入口から廊下へと反響して学校全体に聞こえたんじゃないかと思うほど大きかった。

 『大好き』なんて。

「な…、なに恥ずかしいこと叫んでるのっ!?」

 もう恥ずかしくて、嬉しくて。

「素直じゃないところも、意地っ張りなところも、照れ屋さんなところも…全部」
「フェイトちゃんほんまに堪忍してや~!」

 こんな所を誰かに見られていたら、後で何を言われるかわからない。主になのはちゃんとかアリサちゃんとかなのはちゃんに。
 なのはちゃんが二回出たのはきっと気のせい。

「だけど…たまには、甘えてほしいな。どんなに些細なことでもいいから」

 耳元で、そんなに優しい声で囁くから、胸の奥で凝り固まった意地が少しだけ揺らぐ。

「それとも私じゃ力不足、かな?」
「そ、そんなこと……ない」

 力不足だなんて思ったことは一度もない。

 どんな時でも。
 フェイトちゃんでないと駄目だ。
 どんなことでも。

「…私は、フェイトちゃん以外なんて考えられへんもん」

 想いを伝える為の言葉を知っているのも、けれども伝える言葉が足りないのも、もしかしたら全部がお互い様。

 だからきっと、足りない分を唇に乗せて。

 やられっぱなしじゃ悔しいから。振り向いて不意打ちをした。



 さっきのことがあってから、顔から熱が引かない。きっと、隣にいるはやても同じだと思う。

 ──凄く、嬉しかった。

 はやての方からしてくれるなんて、思ってもみなかったから。
 右手に傘、左手に鞄を持って今は同じ傘の中に入って、雨があちこちで跳躍する中を一緒に歩いてる。
 時折、赤いばってん印の髪止めを視界の隅っこに入れながら様子を伺った。…少し俯いていて、ちゃんと見えなかった。
 そう肩を落としていると腕を小突かれた。

「はやて? どうし──」
「いつまで、黙ってるん?」
「え?」

 驚いて声の方へ向いた。相変わらずに見えるのは赤いばってん印の髪止めだけで、髪が顔を隠して見えない。

 ──顔を…見せてほしい、な。

「なんか、言うてよ……」

 拗ねたみたいな照れた声が、耳にこそばゆく入ってくる。
 可愛い、としか形容出来なくて自分の語彙を恨めしく思う。いや、もう一つあったかもしれない。

 ──いとおしい、…かな?

 なんて、何も言わずに考えていた。ら、

「もしかして……いや、やった?」

 声。必死に不安を押し殺してるのが解るくらいに、震えた、声。
 なんて言えばいいの解らなくてただ、抱き締めた。

「フェイト、ちゃん……?」
「ん?」
「…いや、やった?」
「ううん。…嬉しかったよ」

 ただ少し、気恥ずかしかっただけ。

「だから大丈夫だよ」
「そ、か……」

 ほっとしたのか、強張ってたはやての体から力が抜けた。

「……あかん」
「?」

 疑問符を浮かべる私に、はやてが顔を胸元にすりよってきながら、恥ずかしそうに言った。

「…ちょう、泣きそう……」
「え、えぇぇっ!?」

 さすがに驚いた。いきなり泣きそう、なんて言うものだから。

「ど、どうしてっ!? わ、私が何かしちゃった?」
「そ、そうやなくて…なんや、ほっとして……」

 私にすりよったまま、少し涙ぐんだ声で。

 ──これが、いとおしい、っていうのかな。

「はやて」

 名前を呼ぶと、はやてが顔を上げてくれた。私の気持ちが伝わればいいなと思って、潤んだ蒼い瞳を見詰めた。

「フェイト、ちゃん?」

 想いが熱く波立って、ひたすら揺れる。

「ありがとう。はやて」
「フェ、フェイトちゃんっ!? ちょっ、んむ──」
 暴れるはやてを抱き締めながら、口付けた。

「お返し、だよ?」

 ぽすっと胸に頭突きしてきたはやてに、そっと耳打ち。

 続きはまた後で、ね? って。


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