まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

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わかりすぎてしまう苦悩

熟年夫婦でなくても、なんとなく相手が言いたいことがわかる
そういうこと、ありますよね
そんなかんじのお話

ある意味フェイはや
暗いです


続きからドウゾ


[秘密共有]



「お疲れ様です」

二次会に向かう人々に軽く頭を下げる
人ごみの中にその背中が見えなくなるのを見計らって時計を確認する
時刻は直角になる少し手前
家で待っている愛娘のことを思い、急ぎ足で踵を返す

と、視界の端で何かが煌めいた


「えっ…?」

思わず振りかえると、人の波の中に煌めきを見た
あんな雰囲気なんて知らないのに、昔からずっと知っているような輝き

気になって、追わなきゃいけないような気がして煌めきの方向へと足を踏み出すと、
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた

「おー こんなとこにべっぴんさんがおるでぇー」
「へぇ?」


にへら、と笑顔で手を振ってきたのは、上司にして親友の八神はやてだった
横にはギンガも一緒で、苦笑いで会釈された

「はやてちゃん、なんでここに?」
「ご飯がてら情報収集といったとこや」

そう言いつつもお酒に飲まれている様子で
いつも以上にふにゃふにゃの笑顔と陽気な声色だった。
そんな可愛い顔、あんまりいろんな人に見せないでほしいなぁと思いつつ
頭を撫でると、少し後ろに立っているギンガと目が合った。
こちらを見て苦笑いしている姿に、自分の顔も緩んでいるのだと気づき、
慌てて顔を引き締める

「どっちかというと、ご飯メインって感じじゃない?」
「そんなことあらへん!」
「もー はやてちゃんそんなにお酒強くないんだから」
「そんなことあらへんでー!」

同じことを繰り返して、だんだん大きくなる声
これで酔ってないとかあり得ないんじゃないかな

「もー そんなんでちゃんと帰れるの?」
「帰れる。というか、なのはちゃんこそ、ヴィヴィオが待ってるんとちゃうんか?はよ帰らんでええの?」
「あ!そうだった」

いけない!と顔に出していたようで
はやてちゃんは私の顔を見て苦笑いをしたあと、私は本当に大丈夫だからといって
私の帰る方向とは別の方向に歩き出してしまった

「あ、ちょっと、」
「ほな、じゃあまたな」


そう言ってはやては先ほどのふにゃふにゃな笑顔のまま
あっという間に人ごみにまぎれていってしまった


「唐突すぎるというか…大丈夫かなぁ」
「まぁ、足取りはしっかりしているようですし、大丈夫かと」


始終苦笑いのギンガにはやての面倒を見てもらったお礼を言って自分たちも歩き出す
時計の長針はすっかり頂点を越えており、意識すると自然と足が速くなる

その頃にはヴィヴィオのことで頭がいっぱいで
先ほど気にしていた煌めきをすっかり忘れていた





---------------------------------------------------------





どのような場所にも、光と影はある
繁華街から一歩外に出ると、ひんやりとした空気と共に静寂に包まれた
古い、というよりは汚いという表現が正しいようなお店兼住居に隣り合って
アパートが所せましと並んでいるこの場所は
普通の住宅地と違い、温かな光がまるで見えない
人はいるのだろうけれど、分厚いカーテンをしているのか、どこもかしこも暗かった
時折漏れている光があっても、あたたかさは感じられず冷たさだけが身体を包む

建築法違反だろ なんて場違いなことを呟いた息が周辺を取り巻く闇に白く溶けて行った。
その先に
うっすらと見えた白煙と金色は見間違えなんかではなく、あーあと心の中で呟いた


「優秀な執務官さまがさぼりとは珍しいですなぁ」

対して大きな声を出さなくても、この静寂の中では嫌でも聞こえてしまうようで
鉄の手すりにもたれていた金色が気だるげに下を見た
少し眉をひそめたその姿でさえ美人とか、少しいらっとする


上がっても?と動作だけで窺えば、否定も肯定もなく
まぁ何も言ってこないっちゅーことはOKなんやな
なんて都合のいい解釈をして外付けの階段に向かった。
外装がはげ、赤錆がむき出しになった手すりを横目に
音を立てても咎める住民もいないだろうと
ガンガン音を立てて上がっていく。
そして、先ほど当人がいたであろう部屋のドアノブに手をかけた。

扉は当たり前のようにガチャリと音を立てて開いた



「鍵もかけとらんとか、不用心やなぁ」

鍵がかかっているなんてさらさら思っていなかったけれど
簡単に開いてしまった扉にため息が漏れる

「何もないし、誰も来ないからね」

そんな考えすら読まれているのか、知ってたでしょとでも言いたげに目を細められた
その口元と指の隙間から、白煙が漏れ出ている
いつからかは知らないが、こんな事だろうとは思っていた

「どーでもえーけど、あんまし不用心やと、ばれてまうで?」
「んー そうだね」

心底どうでもいいように伝えれば、相手もどうでもいいといった返し
というか、まるで心のこもっていない

普段のフェイトちゃんであれば
入り口で出迎えてくれて、今日のような日であればあたたかい飲み物を出してくれる
人の言うことも親身に聞いてくれる
全てが優しい。
けれど、今のフェイトちゃんはこの場の空気のように冷たく、
全ての物を突き放すように感じられた

いつもが表と言うならば
今見えているのはフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの裏




それは決して、大事な大事な"彼女"には見せない姿




月の光を浴びた横顔が何処までも冷たく
それでも室内の暗闇から見つめる私にはきれいに見える





「はやてはさ」


暗闇を見つめたままだった瞳がこちらを見る
細められた瞳に射抜かれ、息が詰まる


「なにも聞かないんだね」



何を、とか
誰か聞いた人がいたのか、とか
思うことはたぶん沢山ある
でも、それは口に出して問い掛ける程だとは私は思わない
そして、私がそう思っていることをフェイトちゃんはわかっている



「聞いてほしいんなら聞くけど、そういうのとちゃうやろ」


それでも敢えて口にする
静かに、それだけを口にして
月の光のあたる下へ足を運ぶ



「…どうだろうね」



ジュッっと手元の灰皿に白煙を押しつけたフェイトちゃんがこちらに近づく
伸ばされた右手が私の頬を撫でたとき、それが合図のように瞳を閉じる


文字通りの口封じ


「…ずっこいなぁ」


とても苦い口づけ
雰囲気もくそもあったものではない
それでも、フェイトちゃんがキスしてくるのはわかってた


だって、私がフェイトちゃんを好きなこともフェイトちゃんは知っていて
フェイトちゃんが知っていることを私は知っているから


そしてたぶん
"彼女"の知らない秘密を共有していることに優越感を感じていることも
フェイトちゃんは知っている



「…フェイトちゃん、もう一回」



フェイトちゃんの首に腕を回し、淡々と言う
そこに甘さを含んではいけない
それが、私とフェイトちゃんの暗黙のルール



こうして私たちは"彼女"に言えない秘密を重ねていく







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Author:アジル
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