まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

いただきましたー!!

yskさんから!
いつもありがとうございます!!
そしてあげるの遅くなりました!

フェイ←はやSS続きにあります!
どうぞ!


 夢と朝



 朝の眩しい日射しが閉めたカーテンの隙間から、ちょうど目元に当たり、その眩しさに顔をしかめて掛け布団を引っ張り、日射しを遮った。
 そんなことをしていたら、隣から優しい声が降ってきた。

「はーやて」
「ふぇいと…ちゃん?」
「ん?」

 もぞもぞと被った掛け布団から顔を出すと、目の前に広がった、陽光を纏っていつもより輝いて見える金色の髪に目を奪われた。

「どうしたの? はやて」

 首を傾げた拍子に、金色の髪がさらりと揺れた。その髪にそっと右手を伸ばして触れた。

「フェイトちゃん」
「ん?」

 手櫛をすると、引っ掛かることなく指の間をすり抜ける。それが何故だかとても不安になって、何度も髪に指を通す。そうでないと、どこかへ消えてしまいそうで。

「はやて?」

 呼び掛けて私の手を捕まえた、その手に擦り寄る。

「──このまま…はなさんといて……」

 いつもならこんなこと言わないのに、言えないのに。どうして離さないで、なんて。
 やっぱりなんでもないと、言おうとした。

「……はやて、大丈夫だよ?」

 けれど、私より先に彼女が言葉を紡いだ。その言葉に顔を上げた。

「大丈夫……」

 子供をあやすようにそっと頭を撫でられる。その心地好さに目を細めた。

「ずっと…傍に居るから」

 そう言ってくれた刹那、『どうして?』と、疑問に思った。嬉しいはずなのに。

「はやて……」

 名前を呼ばれて、何か違和感を感じた。今まで、彼女にこんなにも優しく名前を呼んでもらったことも、こんなにも優しい微笑みを向けられたことも、無かった。
 だけど頬に手を添えられ、縮まる距離に躊躇っても拒めない。それは私が、ずっと欲しくて…欲しがっていたものだから。

 だけど、これは違う。私、の夢。

 距離がゼロになる前に瞼を閉じた。
 そして唇に触れる温もりに、頬に涙が伝った。



「夢……か…」

 飛び起きる、なんてこともなくただいつものように、目を覚ました。けれど、寝間着の中に着ていたシャツが寝汗でベタついて気持ちが悪かった。
 周囲を見回すと、ここは間違いなく自分の部屋。夢で見た部屋はもう少し広く、寝ていたベッドも大きかった気がした。その中でも、カーテンの隙間から射し込む日射しは同じだった。
 何故かそれらを億劫に感じながら、すぅ、と息を吸って、ふぅ、と吐いた。

「……フェイト、ちゃん」

 無意識に、呟いた名前は、私の想い人。
 だけど、彼女が好きな人は私ではなくて。なのに、どうして、無になる想いを募らせてまで、恋をするのだろう。

「ほんまに…あほやな……」

 そう溢して、下へ俯いた時に手の甲に涙が落ちて、自分が泣いていることに気付いた。零れ落ちてくる涙を拭っても拭っても、それでも止まらなくて。
 苦し、かった。胸の奥が強く締め付けられるようで。それでも、本当に届く訳が無くて。でも消えてくれない光は、いつも私を照らしてくれた。今は、それが辛かった。

「フェイトちゃん……」

『はやてが困ってるとき、悲しいとき、辛いとき、苦しいとき、……呼んでくれれば、はやての所に来るから』

「フェイト、ちゃん……」

『…ほんまに?』
『うん…はやてがそれを望むなら』

 だけど今は、

「ふぇいと…ちゃ……」

 いくら名前を呼んでも…来ては、くれない。

 ――何で、そんなこと…期待して……。

 そんな何年も前の約束なんて、覚えていてくれるはず、ないのに。
 少しだけ引いてきた涙が、勢いを増した。
 その時、枕元に置いてあった携帯のバイブレータが振動した。それに驚いて体がびくっと震えた。流れていた涙も止まった。

 ――こんな、早くから…誰からやろ……。

 昂る鼓動をよそに、恐る恐る手を伸ばして携帯を取る。
 直ぐにバイブレータが止まったことから、電話でなくメールだと窺えた。もしかしたら、彼女からのものかも知れない。そう思うと心臓が早く波打った。
 ゆっくりと、携帯を開いて先ず目に飛び込んでくるのは、いつの日にか撮った彼女の優しい笑顔。その白い笑顔に毒を抜かれて、知らず知らず笑みが溢れた。
 強張っていた肩から自然に力が抜けていくのを感じて、少しずつ息を吐いた。

 怖がる必要は無い。そう、いつも通りに。

 携帯を操作して送信者を確認して、溜め息が出た。

「……ありえ、へん…やろ。こんなん…」

 悲しいからなのか、嬉しいからなのかあまりよく分からないけど、再び溢れてくる涙。

「…はかってるやろ、これ……」

 だって、そうとしか思えないようなタイミングにメールを送ってくるなんて。

「…あかん……」

 止まらない。目から流れ落ちる涙も、胸の奥から沸き上がる想いも。

「ほんまに…どうしよう……」

 それが胸を、心を、熱くじわじわと焦がす。だけど、その熱は温かくて、どこかこそばゆくて、心地よくて。

「こんなんじゃ…顔、…合わせづらいなぁ…」

 なんて、冗談めかすみたいに言葉を零しても、真面目に悩んでいたりする。といっても顔を合わせづらいのは、私の方だけで彼女の方はなんともなくて。
 携帯の待受画面に映る彼女へ向けて「あほ」って言って。

 ――ありがとう。それと、

「……好き、やから」

 今もまだ届かない、これからもきっと伝えられない想いを繰り返して。

 一人きりの部屋で呟いた言葉は、窓際から漏れた光で出来た宵闇に、溶けて消えた。




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