まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

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今はまだ、この感情の名前を知らない

今度こそフェイはや
中学生の二人。たぶん付き合ってない




「フェイトちゃん、お待たせっ」

ひょこっと本棚の間からはやてが顔を出す
大丈夫だよ、と言いながら近くまでよると
その身長差からどうしても私が少し下を向いて、はやてが少し見上げる形になる
それがいやなのか、はやては私を見上げると、少し頬を膨らませて、眉をきゅっと寄せるのだ

「かえろ?」

声をかければ、眉間のしわが少し緩んでこくんと首が縦に揺れる
少しだけ持ち上がる腕が、ゆっくりと本に添えられ、きゅっと握られた

「これ、借りてくるから、出口で待っとって」










仕事がないときは一緒に帰る

これは二人が最初に決めた約束だった


中学生に上がって、勉強も仕事もいろいろなことが増えた
それは当たり前のことだし、仕方のないことなんだけど
一緒にいる時間がなくなるのはなんだかいやだなぁ
そうつぶやいた私の心をはやては拾い上げてくれた

「約束!フェイトちゃんと私がお仕事ない日は一緒に帰ること!」

そういって絡められた小指
夕日に照らされたはやての横顔が優しくて
ドキドキしていたけど、とても嬉しくて、少しだけ視界がぼやけたのを覚えている


でも、あの時のドキドキが忘れられなくて
私はいまだにはやてに触れることができないのだった



「それでね」

家族の話、仕事の話
学校であったちょっとおかしな話
最近あったとっておきの話

そんな他愛もない話が私やはやてにとってはかけがえのない大切な話で
いつか本当に他愛もない話になったらいいねって笑ったこともあったけれど
今はやてとしゃべっているこの時間だってまだまだ大切だから、他愛もない話になるのはいったいいつになるのだろう

「フェイトちゃん?」

思わず零れた笑みが気になったのか、怪訝そうな顔ではやてがこちらを見上げた
話すときは前を向いているのに、何かあると相手の顔を覗き込むはやては、やっぱり今の高さがちょうどいいと思う
頭を撫でるのだって、たぶんちょうどいい高さなのだ

「ごめん。なんでもないんだ」
「なんやねん。逆に気になるわ」

けれど、伸びた手がはやてに届くことはなくて、むぅと釈然としない表情を浮かべたはやての死角で、上げられた右手をゆっくりと下げる。
無意識だったり、意識的だったり、触りたいなぁと思うことはあるのに、いざ手を伸ばすと何故だか思い出してしまうのだ
早くなる鼓動を意識してしまって、気が付けば握りこんでしまう
他の人には触れられるのに、どうして


そんなことばかりを繰り返していると
気が付けば、帰り道の半分を過ぎていた

この坂道を下ったら、はやてとはお別れ
橙色に染まる坂道に伸びる影を見ていると、明日も会えるのに何だか寂しいと感じてしまう
それでも帰らなければいけないんだ、と内心苦笑いを浮かべて自分の影を踏み抜くと、少しだけ体が後ろに引かれた

「へぇ?」

振り返れば、親指と人差し指で弱弱しく裾を握られていた
何事かと声をあげれば、掴んだ裾はそのままにはやてはもう片方の手で制服のスカートをくしゃっと握った
あぁ皺になっちゃう、というこの場にはそぐわない言葉を飲み込んではやての次の言葉を待つ

けれどはやては口を開いては逡巡して閉じるばかり。その動作にだんだんと私も緊張してきたのか、口は乾ききっているのに掌は妙に湿っぽくなってきて
遮ってはいけない、とわかっていたのだけれど耐えられずに声をあげてしまった

「はやて…なにか、あった?」

ふるふるとわずかに振られる首
じゃあ、と言いかけて顔をあげたはやてと目があった
夕日に照らされてるにしてはやけに赤い頬、きゅっと寄せられた眉に揺れる瞳
思わず口を閉ざせば、吐き出す息に混じって微かに声が聞こえた


「あ、あんな…手、繋ぎたい」


その瞬間、今まで聞こえていた音がすべて聞こえなくなった
かわりにはやてが零した言葉だけが身体中にじわじわと広がっていく
そうしてお腹の奥にすとんと落ちたとき、やっと何を言われているのか理解できた


「て…?」
「…そうや」


かろうじて漏れ出た言葉を拾って、はやても短い言葉を呟いた
その言葉につられて手を差し出せば思い出される鼓動の速さ
どうしてだかわからない胸のざわめきが怖くて少しだけ引込めそうになると、その指先をはやてがやんわりと握った

「…っ」

触れた指先にびっくりして息が詰まる
やっぱり心臓はどきどきいってうるさい
けれど、それより何より、繋がれた指先から伝わる熱が、心地よかった

その熱をもっと感じたくて、気が付けばはやての掌に私の掌を重ねていた


「フェイトちゃん…手しっとりしてる」
「はやてだって」


あんなに躊躇していたことが、実はこんなに心地よいことだったなんて
少しだけ手に力を入れて握りこめばその分だけ心臓が強く脈を打つけれど
それ以上にみぞおちの奥の方から湧き上がってくるむず痒いような喜びに似た感情


「はやてはなんだかすごいね」
「…なんでや」
「んーん。なんでもない」


あらぬ方向を向いて話すはやての赤くなった頬を見ながら
一度知ってしまったこの熱とどきどきをもっと知りたくて、はやての頭にそっと手を伸ばした



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