まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

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嫌いの反対は好きだけど、好きの反対は嫌いではない

久方ぶりに書きました
不良と優等生

まさかの続きです

改めて振り返ってみると…恐ろしい年月過ぎ去ってますね…
自分でもかなりびっくりしてます

続きからドゾ



この時期はどうもやりにくいから嫌いだった

曲がりなりにも頭脳明晰成績優秀の模範生。優等生と知れ渡っている以上その殻を守っているつもり。というか安易に弱点をさらす必要もない。そういう理由から一応はグラウンドに人がいる時はタバコを控えている。

だから、体育なんて生徒が外に出る授業が多くなるこの時期は、あまり好きじゃない。


今日だって屋上にあがってみればいつもはしないはずの喧噪。
またか、なんてため息をつきつつも今更降りてもやることもないので仕方なしにグラウンドをのぞいてみる。

遠くにばらばらと黒い頭が群がっている。並ぶともないやる気のない列。不規則なその流れにいらつきを感じる。
いったいどこの学年だ、と少し目を凝らして見ればちらほらとどこかで見たような顔。どうやら同学年の授業だったらしい。

ストップウォッチをきられ、一喜一憂する生徒。
近々自分のクラスにも順番が回ってくるのだろうと思うとまた一つ憂鬱な気分になる。

別段運動が苦手なわけではない。
体力はあまりないが、測定のタイムは少なくとも上の下は言っていると自負している。
しかし実際にやるとなると話は別だ

強制的に体を動かすことにあまり意味を感じないし、汗や砂ぼこりにまみれるなんて好ましくない。
それならば水の中で体を動かした方がよっぽど効率よく、そして無駄に汚れることもない。

ほんと、どうしてこんな授業が存在するのか


こうして空を見上げていた方がよっぽど有意義ではないのか。
すっかり興味をなくして視線をはずそうとした瞬間、周りより頭一つ大きい姿が視界の隅をよぎった。

それは周りの人をぐんぐん抜いて颯爽とゴールに飛び込んだ。

軽く息をついたそいつは周りで苦しそうな人とは対照的に涼しい顔をしている。思わず眉間にしわが寄るのがわかる。集まる人に隠されて見えにくいけれど、遠くからでもわかってしまうその長身にポニーテール。
誰かに話しかけられているのだろう、なかなか解かれない輪になんだかいらいらして舌打ちしてしまう。
無性にタバコが吸いたくなるも、一応自分が決めたルールがある以上破るわけにも行かない。
あいつがあそこにいるということは今日は邪魔も入らないというのに。

ただただ腹立たしい思いでいっぱいだった。




だからだろうか、ちょうど屋上から降りてきた先、階段をあがってくる彼女とはち合わせてしまったとき、思わず無視してしまったのは。


「あ、おい」

別に普段から親しく話す仲ではないのだから自然な行為なのに。
会釈一つしない私を不審に思ったのだろうか。こういうときばかりカンがいいのだから腹が立つ。
無視しなければよけいに話しかけられなかったのかもしれない。苛立つ頭ではきっと答えを出すことは不可能だ。
とりあえず軽く会釈だけして無表情のままに去ることに決めた。
とにかく今は話したくなかったから。

リノリウムの床を擦る音に重なるぱたぱたという音。
けれど、何か言い掛けた足音はすぐにとぎれた。


そこで振り向いたのは、何でだったのだろう。

何度考えてもやめておけばよかったのに。
考えることをやめていた私はそのままに振り向いてしまった。

視線の先。歩みを止めたその前には見知らぬ生徒の姿。
クラスメイトか先輩か後輩か。知らない人物に話しかけられている姿をみて
ぷちんと何かが切れた。

降りかけた階段を戻り、わざと横を通り過ぎる。
すれ違いざま、ほかの人には気づかれない程度に肘をたたき込んだ。
うぐぅなんてうめき声は無視して今度こそ立ち去ることに決めた。


ムカつくムカつくムカつく

いらだちが加速する
早く、タバコが吸いたかった



仮病を使っているだとか、優等生だとか
そんなこと、もうどうだってよかった








普通ならここで帰るだろ?
しばらく話しかけないでください
みたいな冷たい視線をよこして、おまけに肘鉄までたたき込んでおいて。

なのに、雨が降ったからって、いつものようにうちにやってくるだなんて。

「正直どうかしてると思うよ」


後ろにいるであろうそいつに声をかけても、何も返ってこない。
どうやらこちらの問いかけには徹底的に無視のようだ。
ほんとなんなんだこいつ

いつも思うことが頭をよぎる
猫だってこんなに気まぐれじゃないだろうに


がしがしと二人分の食器を洗いながら痛むわき腹をさする。
普段であれば避けるなり受け止めるなりできたはずの暴力。
けれどあのときは業務連絡とはいえ普段話しかけてこない人から話しかけられたことによって多少戸惑っていたから
久しぶりに受けた打撃にただ悶えることしかできなかった。

やっと持ち直したころにはもちろんあいつはいないし
仕方なく明日でも聞いてみるか、なんて家に帰ってみればまたずぶ濡れで立っているし
平気でソファに腰掛けて本を読んでいるのだから

「んで、なんでいきなり殴ったんだよ」

聞いてみてももちろん返事はない
ただ後ろからふわりと風が舞うのを感じて慌てて振り返る
あー、まただ

「だからうちで吸うのやめろってば」
「なんの為にきているのかわからないではないですか」

だんだんとわかってきたこと
こいつは都合が悪くなったりすると敬語になってタバコを吸うそぶりを見せる
たぶん私が止めるのをわかっているのだろうけど、止めなければ本当に吸いかねないから困る。

「じゃあこなきゃいいだろ。それこそ家で吸えばいいじゃないか」
「……」

ぎろりとにらまれて、あ、これはだめな質問だったか、とまた一つこいつのことを知る。
家関係は御法度のようだ


あけた窓もそのままにさっさとベッドに向かってしまうから扉を閉めつつ、ちょうど目に入った植木に水をやるべく霧吹きを持ち上げた。
あの顔に吹きかけてやりたい、なんてもやっとした思いはそのままぐっと飲み込んで、煙にまかれかけた草花に向かって優しく吹きかけた。

「おまえたちはこんなに素直なのになぁ」

草木は言葉を返してくれるわけではないけれど
話しかければそれだけすくすくと育ってくれる。
あいつよりよっぽど素直でかわいい


『話しかけたらより成長するなんてデマだわ』

そう一蹴されたこともあるけれど
科学的根拠はなくても数値で証明されているのだから
可能性としてゼロではないだろう
そう返したら珍しく考えるようなそぶりを見せたから、こいつは本当は知ることが大好きなんじゃないかと思う。
皮肉っぽく言うことで自分を守っているだけで、本気でそう考えているのだろう


一段落ついて顔を上げると、寝たと思ってたあいつはベッドに腰掛けたままタバコをくわえていた
さすがに火はつけていないみたいだけど

「だーかーらー」

取り上げれば無言の圧力
何するんですか、と冷たい瞳が聞いてくる

こんな視線をいちいち相手にしていたらこいつとは話もできない
だから問答無用で取り上げたタバコを手の中で潰した
…最近また税があがったとか、そういうのは、考えなフリして


それでも、懲りずにまた一つ新しいのを取り出してくわえる。
いつもより執拗なやりとりに、どうやら先ほどの言葉が思っていた以上に気にくわなかったのだろうと知る。
いくら言っても奪っても新しいものを出してくるとは…というかこいついくつタバコ持ってるんだ


「…だぁあ!!いい加減にしなよ!」


声を荒げても知らんぷり
ほんとどうしたらやめるのだろう


ひらひらとタバコを挟んで揺れる指先

ふと、思い出したのは出会ったときの一言と動作。


『タバコの代わり、考えて』



あぁ、そうだ
答えはすぐそこにあったのだ

見つめる視線はそのままに、首を傾げた彼女が動かないように顎を持ち上げた

「…なん、ですか?」

強がっているけれど動揺の隠せない声
彼女が戸惑いを見せると何故こんなにも心が騒ぐのだろう

「タバコの代わり、やるから。」

だから、ここで吸うな。

そうして、あの日のように、今度は私が。
薄く吸いつくようなその場所に、唇を重ねたのだった。


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