まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

美奈子誕後夜祭

後夜祭という便利な素敵な言葉をみかけたので積極的に使っていこうと思う。

10分程度で書いた美奈子ちゃん(というか前世ヴィー)の誕生日SS
みなあみっぽくなってしまったけれど、よければどうぞ

ちなみに、なんとなく前世はヴィー>マキュ>マーズ>ジュピの順番な気がしています(気分で変わる)





私がここに来たときには彼女はすでにここにいた
お姉さんだからいつでもたよりにしなさいっ!と嬉しそうに胸を逸らせたその人は
まだ幼い私と大きな差はないというのにとても頼もしく思ったものだった


本が好きな私が書庫で隠れるように本を読んでいても、どこからともなく現れて引っ張っていったり
苦手な戦闘訓練も手加減しながら教えてくれた

そんな頼もしいリーダーが、その日はなんだかいつも以上いそわそわしていた

新しい戦士がくるのかもしれない
そう思っていた私にこっそり理由を教えてくれたのは、クイーンだった

ほんの少しだけ指をまげて、おいでおいでと手招き
幼いとはいえそれなりに教えを受けてきているから、クイーンに呼ばれることがどれだけのことかはなんとなくわかっていて
ちょっと怒られるんじゃないかってびくびくしながら近づくと、なんだか嬉しそうに耳打ちしてくれたのだ

「今日はヴィーナスの誕生日なんですよ」

はっと顔を上げればにこにこ顔のクイーン
何か贈り物をしてみては?
生まれた日をお祝いするのはどこも一緒
でも、地球という青い星の人たちは生まれた人に贈り物をするらしい

歴代のマーキュリーが綴った調査書の隅
ジュピターのサインの入った項目に、なんとなしに書かれていたことを思い出して
そうしてすぐに俯いてしまう。

私は本を読むばかりで、あげるものなんて何も


けれど、ヴィーナスにはたくさん大切なものを教えてもらったから
何かあげたい


きっと、それは顔に出ていたのだろう
クイーンはまた私に合わせるように身をかがめると、そっと秘密を教えてくれた
それは、あの冒険好きなヴィーナスも知らない、とっておきの場所だった





先代の残した調査書
その中の一つに、少し不器用にまとめられた資料が混じっていた
そこに書かれていたもの、それがクイーンの秘密の庭にあるのだという

警備が厳重なそこに、まだ小さな私が入ることはできない
それなのにその場所を教えて、きっと喜びますよと笑ったクイーンはいったい何を考えていたのだろう
首をかしげながらも、言われたからにはいくしかないとどきどきする胸を抑えた。
今までこんなことしたことがなかったから
冒険、とまではいかないけれど、こんなどきどきして怖いこと、できればやりたくなかった
でも、ヴィーナスが喜ぶなら。

汗でべとべとになった手をちょっとはしたないけれどローブで拭って、
私はヴィーナスに教えてもらった抜け道を駆け出したのだった







「あのころのマーキュリーはあんなに可愛かったのにねぇ」

映像として残されたそれを見て、私は白々しくため息を吐いた
もちろん横でしれっと仕事を続けているこの子に向かって。
ちらりとこちらを見ると、ふぅとあちらもため息を一つ。

「いつの話をしてるのですか」
「冷たいわねぇ」

あの日、社交辞令のような祝いをたくさん聞いた私は、嬉しさよりも寂しさが勝ってしまっていた。
だって、こんなたくさんの人がいるのに、私にとって特別な日なのに
まるで他人事のように投げられる言葉が悲しかった

だから、マーキュリーがところどころローブを汚したまま走ってきたときは本当にびっくりしたのだ
そして差し出されたもの。
本や映像でしかみたことのなかった、白い花。
小さな手で包み込まれた鉢の中に確かにある命

「ヴィー…今日が、誕生日と聞いたので…」

まだまだ幼くて、自分の感情を表に出すのが恥ずかしいマーキュリーが
私の誕生日を精一杯祝ってくれた
それがどうしようなく嬉しくて、あったかかった
じわじわ胸のなかに広がる熱で、ちょっぴり視界が歪んじゃうくらい、本当にうれしかった

「おめでとうございます…あと、いつも、ありがとうございます」



「今じゃこーんなにも冷たいけど」
「失礼ですね」

じゃあ来なきゃいいないですか
と冷たい瞳が言う。
けれど

「はい、どうぞ」
「えー 他に言うことあるでしょ?」
「…おめでとう、ございます」
「ええ!ありがとう!」


どんなに冷たくても、こうして毎年祝ってくれる
それが、あの日から変わらない何よりの贈り物だった

「ほんと、ありがとね」








おまけ

「ヴィー、今日、誕生日だって聞いたんだけど」
「ヴィー!今日誕生日なんだって!?」

マーズもジュピターも初めてきたときの誕生日は、あの白い花を持ってきたんだけど
あれって誰かの仕業だったのかしら

こればっかりは誰に聞いても秘密だと笑って教えてくれなかったのよね…


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