まこ亜美(セラムン)とフェイはや(なのは)を中心にSSやらを扱っています。 百合発言などがあるので、苦手な方はバックすることをオススメします。

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ちぐはぐ 3

2の続き



「思い出せないことの方が多いんだ」

ごめんね
なんてばつの悪そうな顔にふるふると首を振る
だって、本来なら覚えていなくて当然の記憶。無理に思い出すものでもないのだから
まこちゃんが申し訳なくなる必要はないのだ。

ほんの少しだけ期待して、ちょっと聞いてみただけなのだ
まこちゃんが覚えていたら、なんて期待。無駄だとわかっていてもしてしまうのだからたちが悪い。

昔からそうだった。
歴代の戦士のことを尊敬し、師のように見ているのに
そこにとらわれることはまるでなかった。
過去は過去であって、参考にすべきだけれど鵜呑みにしたり踏襲する必要はないんじゃないかなぁ
ジュピターがあくびをかみ殺しながら言った言葉は最後までなんとなしに、でもしっかりとそこにあった気がする。
私も気がつけばその言葉を思い出しては、今の私ができることを考えたものだった。


でも私はジュピターみたいに突拍子もないことを考え付いたりすることができないから
先代の記録や経験からあらゆる可能性を検討し考察し推測することしかできなかった


「まこちゃんは、やっぱりすごいのね」
「そうかなぁ あたしは亜美ちゃんの方がよっぽどすごいと思うけど」


あたしは力しかないからね
なんて力瘤を作るように握られた拳
その力がない私にとって、やっぱりまこちゃんはすごい人に変わりはなかった。
0を1に1を10に。まこちゃんはあらゆるものを育てる力を持っている。私は10という数字をいろいろな表現で表すことができるだけで、それを変化し大きくすることができないから。そんなまこちゃんが羨ましかった。
それにそうやってからりと笑うまこちゃんは他にも魅力的なところがたくさんあって、とっても輝いて見える

変わらないその背中が、憧れで
たぶん、私はこの人が

「…ねぇ、亜美ちゃんはさ」

まこちゃんの声に思考が途切れる
顔を上げれば、まこちゃんは前を向いたまま
夕陽に照らされてわずかに赤く見える表情は、何故だか燃えるパレスでのジュピターに重なる
あの日決意を固めたジュピターは、思いつめたような表情で私の方を向くと、ゆっくりと口を開いた

「誰を、見ているんだい…?」

問われた言葉が、よく、わからなかった

「まこ、ちゃん…?」
「亜美ちゃんは、あたしのことすごいって言ってくれるけどさ」


それは、本当にあたしのことなのかな


まっすぐなまこちゃんの瞳が私を射抜く
否定したくて開いた口は震える息を吐き出すだけで、音を紡いではくれなかった
そんなことはないと言いたいのに、まこちゃんとジュピターは違う人だと頭ではわかっているのに
ぶれる視界や揺れる心は、どうしたってジュピターの面影を探してしまっている


「…亜美ちゃんのその気持ちは嬉しいんだ」

悲しそうに呟かれる
その先の言葉は、どう考えてみたって明るいものではない


「でもさ」


なのに、私は否定できる言葉を口に出すことができない





「亜美ちゃん、私はジュピターじゃないんだ」





風の流れる音だけが聞こえた




「ごめん」


お腹の底からひやりと冷たくなっていく感覚
じわじわと鈍くなった脳に浸透していく

まこちゃんに拒絶されたことも
私の感情が、マーキュリーとの境が曖昧になっていることも
どれも遠くに感じるのに

謝るまこちゃんの方が、よっぽど辛そうな顔をしていたことが
苦しくてたまらなかった
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Author:アジル
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